AI採用ジャーナル
事例・ケーススタディ公開 2026年6月26日

PeopleX AI面接とは?機能・料金・導入事例を徹底解説

文: 藤澤専之介

この記事の結論

PeopleX AI面接は、アバターと自然に対話する対話型のAI面接です。一次選考の工数を大きく減らし(導入事例では約8割減)、評価のばらつきも抑えます。月3件まで無料・1面接500円〜と試せ、最終判断は人が行う「ハイブリッド運用」が成功の鍵です。

PeopleX AI面接とは?従来のAI面接と何が違うのか

PeopleX AI面接とは、AIのアバターが候補者と"会話しながら"進める対話型のAI面接サービスです。 株式会社PeopleX(代表取締役CEO・橘大地氏)が提供しています。

これまでのAI面接の多くは、画面に向かって一問一答で録画するだけの「一方通行」でした。PeopleXはここが大きく違い、アバターが相づちを打ち、表情や"間"を返し、回答に応じてその場で深掘り質問をします。候補者からは「本当に人と話しているよう」という声が多く、"AIに一方的に監視されている"という不快感を抑えられるのが特徴です(PeopleX公式)。

※ サービス名は資料によって「People XRecruit」と表記されることもありますが、同じAI面接サービスを指します。

なぜ今、対話型のAI面接なのか?

面接は、採用の中でもとくに人手と時間を食う工程です。応募が多いポジションでは、日程調整・一次面接・評価メモ作成だけで担当者の時間が奪われ、調整に手間取るうちに他社へ候補者が流れる——という取りこぼしが起きます。さらに、面接官によって評価がばらつき、合否の基準が属人化しがちです。

PeopleXは、この「面接の工数」「評価のばらつき」「24時間対応できないことによる取りこぼし」を、AI面接官で埋めようという発想です。候補者は深夜でも休日でも都合のよい時間に受けられ、企業は日程調整の手間と人件費を減らせます。

PeopleX AI面接を支える「3つのAI」

むずかしく見えますが、役割の違う3つのAIが分担しているだけ、と考えるとわかりやすいです(PeopleX公式/PR TIMES)。

  1. Conversation AI(会話の脳):会話の流れを理解し、声のトーン・表情・回答スピードまで見ながらリアルタイムで応答します。台本の読み上げではなく、「それはなぜですか?」「具体的にどう動き、結果はどうでしたか?」と深掘りします。2026年4月末には対話モデルを「Model Raccoon」へ大型アップデートし、自然さを強化しました。
  2. Character AI(見た目・しぐさ):アバター(例:「Kurosu Mirai」)の口の動き・まばたき・うなずき・手ぶりを人間らしく表現します。「自分の話が届いている」という安心感をつくる部分です。
  3. Assessment AI™(評価):発言内容に加え、話すスピードや表情も多角的に解析してスキルや適性を数値化します。評価基準は企業ごとに設定でき、国籍・年齢・性別などは評価に影響しないよう厳格に制御されています(バイアスフリー設計)。

つまり「自然に話す」「人間らしく見える」「公平に評価する」を、別々のAIで担っているということです。

何ができる?主な機能

面接の「設計」から「面接後の事務」、海外採用まで一通りカバーします(PeopleX公式)。

フェーズ主な機能
面接の設計150種の定型質問+自社オリジナル質問(最大5問)、求人票をアップロードすると質問と評価基準を自動で作る「設問・評価項目 自動生成エージェント」、会社や求人の魅力を伝えるAIプレゼン機能
面接中回答に応じたリアルタイムの深掘り質問(暗記した回答を見抜く)、日本語と多言語を交ぜた語学力チェック
面接後の事務全文/要約の自動文字起こし、評価レポート自動生成、評価項目の重みづけ調整、次の面接官への「申し送り」自動生成
グローバル対応英語・ベトナム語などの面接、外国人候補者の「日本語能力判定」、外国語回答の日本語要約
連携・セキュリティATS(HRMOS・SONARなど)とCSV連携、Slack・Teams通知、SSO/多要素認証/IP制限、ISMS・ISO/IEC 27001:2022・SOC2 Type1認証、監査ログ・暗号化

とくに実務で効くのが、「求人票を入れると、AIが質問と評価項目を自動で作る」機能です。"何を聞くか"の設計までAIが下書きし、人は調整と最終判断に集中できます。

気になる料金は?「無料3件・1面接500円〜」で試せる

PeopleXの大きな特徴は、始めやすい料金設計です。多くの競合が「利用しなくても毎月数十万円」という固定制なのに対し、PeopleXは使った分だけ払う従量課金が中心です(同社/BOXIL)。

プラン料金(税別)主な対象
無料プラン0円(月3件まで)お試し・精度検証
パート・アルバイト向け1面接 500円大量・短時間(10分以内)の選考
ライトプラン1面接 1,000円派遣・パート・アルバイト(質問3項目まで)
スタンダードプラン1面接 5,000円新卒・中途、社内昇格・育成(質問最大7項目)
自社採用プラン月額99,980円+従量500円〜(月20回分を内包)継続的に採用する一般企業
年間契約プラン年額60万円+従量(後払い)恒常的に大量採用する大企業

「まず無料で動きを見て、数名だけ数百円〜の従量で試す」ことができるため、社内の稟議が通しやすいとも評価されています(BOXIL/Jicoo)。

本当に効果はある?導入事例と数字

PeopleXの累計導入社数は公表されていません(非開示)。一方で、GMOインターネットグループ、ビックカメラ、ベイシア、大阪信用金庫などが導入を発表しています(PR TIMES)。具体的な事例では、次のような効果が報告されています。

  • スーパーホテル(宿泊業):一次選考の工数を約80%削減(担当者の対応が週10時間→週2〜3時間)。学生が任意の時間に受検するため、日程調整の往復もゼロになりました(PeopleX導入事例)。
  • ワイズマート(食品スーパー):応募直後にいつでもAI面接を受けられる体制にし、採用リードタイムを約1週間短縮。他社流出の手前で迅速に囲い込みに成功しました(同社事例)。
  • ある大手事業会社(BOXIL掲載の第三者事例):面接官1人あたり月10時間(年120時間)の工数削減。月のツール費(約500名受検で約25万円)を差し引いても、年間約1,200万円のコスト圧縮を達成したとされます。

また同社は、AI面接を経て入社した候補者は、人が選考した場合より採用確率が12%高く、入社1か月後の定着率が6%向上したと公表しています(いずれも同社公表値)。さらに2,000名への意識調査では、多くの求職者が「AIの方が公平に判断される」「無駄に緊張せず臨める」と回答しており、AI面接への変更が応募率を高めるきっかけになり得る、としています(同社検証データ)。

※ これらは同社・第三者媒体の公開情報です。自社環境での効果は別途検証が必要です。

運営会社は信頼できる?

株式会社PeopleX(2024年4月設立/東京・新宿)が運営します。代表の橘大地氏は、弁護士ドットコムで電子契約サービス「クラウドサイン」の事業責任者を務めた人物で、その後独立してPeopleXを創業しました(FastGrow)。

資金面も厚く、シードラウンドで16.1億円を調達、加えて7.6億円のデットファイナンス(融資)を実施し、累計調達額は23.7億円(同社発表)。アーリーステージのHRテックとしては国内最大規模とされます。

さらに同社は、AI面接・人事評価の適正利用を進める業界団体「AIAC」を2025年4月に立ち上げ(代表理事)、2025年10月には弁護士監修の事業者ガイドラインと認証制度を制定しました。ルールづくりの側にも回っている点は、慎重な企業にとって安心材料になります。

直近のアップデート(2025〜2026年)

  • 2026年1月:パート・アルバイト向け「1面接500円」プランを提供開始(10分以内のスピード選考)。
  • 2026年3月:アバターの描画負荷を約4分の1に軽量化。スマホや低速回線でも常時60FPSでなめらかに受検でき、日本語音声も自然な抑揚に進化。
  • 2026年5月:合格率や評価の妥当性を可視化する「インサイト機能」を実装。自社の合格者データを市場全体と比較し、自社基準が厳しいか緩いかを客観的に分析できるようになりました。

どんな企業に向く?導入の注意点

向いている企業

  • 新卒で応募が多く一次面接の調整が回らない/大量のパート・アルバイト面接を店舗で日々行う企業(取りこぼし防止・リードタイム短縮)
  • 面接官(店長など)によって評価基準がバラバラな企業(評価の均質化)
  • 外国人材の「日本語の会話力」を一定基準で見極めたい企業

慎重に考えるべきケース

  • 知名度の低いスタートアップや、ごく少数のハイクラス人材の採用など、候補者を"口説く"必要がある場面。一次からAIアバターを出すと「誠意がない」と受け取られ、辞退につながることがあります。
  • 協調性や論理性は高くないが一点突破型の"異色の人材"。過去データに沿った評価では低く出てしまい、採用の多様性を狭めるリスクがあります。

成功のコツは「ハイブリッド運用」です。 AIは一次選考・日程調整・基礎的な会話/論理の確認・データ整理を担う"伴走役"と位置づけ、カルチャー適合や最終判断は人が対面で行う設計にします。あわせて、応募の案内文に「公平に実力を発揮してもらうための導入で、最終判断は人が丁寧に行う」と一筆添えると、候補者の不安が減り、応募率を落としにくくなります(PeopleX導入事例)。

まとめ:PeopleX AI面接をどう位置づけるか

PeopleX AI面接は、対話型のAI面接を中心に「面接の工数」と「評価のばらつき」を同時に解こうとするサービスです。無料3件・1面接500円〜と試しやすく、求人票からの質問自動生成や評価レポートまでをカバーします。一方で、合否の最終判断は人が持つのが原則です。まずは無料で自社の面接に合うかを試し、ハイブリッド運用を設計するのが現実的な第一歩です。


出典・注記: 本記事は、PeopleX公式サイト・PR TIMES・同社導入事例・BOXIL・Jicoo・FastGrow等の公開情報(2026年6月時点)をもとに整理しています。効果数値・料金・認証・導入企業は同社等の公表値であり、変更される場合があります。検討の際は必ず公式の最新情報をご確認ください。

最終更新:2026年6月26日

よくある質問(FAQ)

Q. PeopleX AI面接は無料で試せる?

A. 月3件まで使える無料プランがあります。その後はパート向け1面接500円〜、新卒・中途向けスタンダード5,000円〜など、使った分だけ払う従量課金が中心です。

Q. 候補者はAI面接を嫌がらない?

A. 対話型で「人と話しているよう」と好評です。ただし不安を持つ人もいるため、案内文で「公平に実力を見るための導入で、最終判断は人が行う」と伝える工夫が有効です。

Q. AIだけで合否を決めるの?

A. 推奨されません。AIは一次選考の伴走役で、カルチャー適合や最終判断は人が対面で行う「ハイブリッド運用」が原則です。

Q. 外国人採用にも使える?

A. 英語・ベトナム語などの面接や、外国人候補者の「日本語能力判定」、外国語回答の日本語要約に対応しています(公開情報)。

Q. 既存の採用管理システムと連携できる?

A. HRMOSやSONARなどのATSとCSV連携、Slack・Teamsへの通知に対応しています。

この記事の著者

藤澤専之介株式会社SilverX CAIO(最高AI責任者)

AIエージェント×採用の実践者。株式会社SilverXでAI採用の戦略立案とAIエージェント開発を統括。著書『AIエージェント時代の人事の教科書』。

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